2024年2月4日の特別勉強会とプチ会の報告です。
特別勉強会
日時:2024年2月4日(日曜日)
10:00~12:00
場所:CiCとやま3階学習室1~3
参加者:11名
勉強内容
・センスプレーヤーの初期設定をしました。
外観、キーの確認など行った後、ファームウェアを最新版にアップデートして、 Android アプリを使えるようにしました。
センスプレーヤーは TOYAMA Free Wi-Fi に繋がらないと思っていたのですが、繋がったので驚きました。
IDやパスワードなど文字入力の仕方をご説明しました。
・NVDAやMicrosoft Edge、Excelの操作方法などサポートしました。
勉強会と併用でZoomで情報交換を行いました。
プチ会
日時:2024年2月4日(日曜日)
13:30~15:00
場所:CiCとやま3階学習室1~3
参加者:14名
勉強内容
最初にハザードマップやUni-Voice について簡単に説明した後、実際に皆さんのiPhoneにUni-Voice Blind アプリをインストールして、耳で聴くハザードマップを体験していただきました。
また、Uni-Voice コードの読み取りも試しました。
以下、当日用に作成した資料です。
視覚障碍者にも利用できるハザードマップについて考える
1 初めに
1月1日、能登半島で地震が発生し、その後富山県内でも津波警報が発令された。
また昨年7月には県内で初めての線状降水帯が発生し、大きな被害が出た。
富山県は災害が少ない地域だと思われているが、決して災害リスクがゼロではないということが浮き彫りになった。
2 ハザードマップ
水害や土砂災害、津波などのリスクを地図上に示す「ハザードマップ 」というものがある。
このハザードマップは紙に印刷されているほか、自治体のホームページなどにも掲載されている。
しかし、地図なので図形で表現されており、スクリーンリーダーで読み上げることができないため、視覚障碍者には利用が難しい状況にある。
一方で、視覚障碍者向けのハザードマップを作成する取り組みが行われている。
今回はそのいくつかをご紹介する。
3 Uni-Voice
3-1 Uni-Voice Blindアプリの機能とと特徴
- iOS、Android で動作
- 「 Uni-Voiceコード」(特定非営利活動法人日本視覚障がい情報普及支援協会(JAVIS)が開発)の読み取り
- 官公庁や自治体などからお知らせの表示
- 現在地の情報(ハザードマップ、地域のお知らせ、防災ガイド)の表示
3-2 耳で聴くハザードマップ
Uni-Voice には「 耳で聴くハザードマップ」という機能がある。
この耳で聴くハザードマップは現在ベータ版で提供されている。
そして、4月からは正式版として運用が開始される。
ただし、正式版に移行した場合、
各自治体からのお申し込みがないと、その自治体のハザードマップは利用できなくなる。
富山県の場合、県からのお申し込みが必要。
そこで、この機能の検証を行い、あわせて視覚障碍者に利用できるハザードマップについて意見交換を行いたい。
3-3 Uni-Voice Blind のインストール方法(iPhone)
- ホーム画面からApp Storeを開く
- 画面下半分を4本指でタップして、「検索」タブを移動してダブルタップ
- 「ユニボイス」とタイプする
- 「Uni-Voice Blind」をダブルタップ
- 「入手」をダブルタップ
3-4 耳で聴くハザードマップの利用方法
- Uni-Voice Blind アプリを開く
- アプリを開くと、ポーポーという音がなり、Uni-Voice こーどのスキャン画面になる
- 「メニュー画面に移動」をダブルタップ
- 「現在地の情報」をダブルタップ
- 「この場所のハザードマップを表示する」をダブルタップ
- 現在地のハザードマップが表示される
3-5 現在地以外のハザードマップの表示
- 「現在地の情報」画面で、「住所などのキーワードや検索履歴から場所を探せます」をダブルタップ
- 住所の入力する(注:ハイフンが反映されないため、何丁目何番地とご入力すること)
4 その他のハザードマップ
4-1 国土地理院の重ねるハザードマップサイト
国土地理院の重ねるハザードマップサイトには、テキスト(文字)で説明したハザードマップが掲載されている。
住所を入力すると、その住所の災害リスク文字で表示してくれるので、スクリーンリーダーで読み上げることが可能。
また、iPhoneなどのスマートフォンからアクセスすると、GPS機能を使って現在位置のハザードマップを知ることもできる。
4-2 京都府八幡市での取り組み
京都府八幡市では、3Dプリンターを使って触って分かる立体的なハザードマップを製作している。
触って地形を実感できるよう、高低差の凹凸を実際の3・5倍に拡大して表現している。
浸水想定エリアは触るとザラザラ、山などの高台はツルツルしてで表現している。
つまり、ザラザラが「危険」を、ツルツルが「安全」を示している。
また、タッチペンを使って音声が流れるようにも工夫されている。
4-3 ホームページにハザードマップを掲載している自治体
大阪府堺市のホームページには、デイジー(音声)版のハザードマップが掲載されている。
https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/bosai/kangaeru/pamphlet/bosai/sakaikuonnsei.html
東京都江東区のホームページにも、音声版のハザードマップが掲載されている。
https://www.city.koto.lg.jp/470601/hazard-map/audio-version.html
4-4 避難経路までの地図を作成する取り組み
実際に災害が起きた場合避難しなければならないケースも出てくる。
現在、アメディアで、各視覚障碍者の最寄りの避難所までのナビレク用マップを製作する取り組みが行われており、READYFORというサイトでクラウドファンディングを使って資金を募っている。
命を守るために目の不自由な方に避難ナビマップを届けよう:30名から(望月 優
2024/01/29 公開) – クラウドファンディング READYFOR
5 終わりに
視覚障碍者が利用できるハザードマップのいくつかをご紹介した。
災害はだれにでも降りかかる恐れがあり、自分の住んでいる地域がどのぐらいの災害リスクがあるのかを把握し、適切に対処することが大切である。
この機会に、ハザードマップに関心を持っていただければ幸いである。
勉強会と併用でZoomで情報交換を行いました。
報告は以上です。