◎ミニ講習(九曜):OCRについて
OCRとは、『Optical Character Reader』の略で光学文字読み取り装置です。
視覚障害者向けOCRの歴史
世界で初めての音声読書機は1979年に米国の電子ピアノの発明者であるレーモンド カーツワイルが作った「カーツワイル朗読機」です。
日本では1990年代に拓殖大と横浜盲が共同研究して作りましたが、OCRとイメージスキャナーのセットにPCを付けて400万円くらいしてました。しかし画期的なものでした。
価格も高かったが文字認識速度も遅かった。
その後、Windowsが出てきてから普及し始めました。
1996年ごろから、視覚障害者向けのOCRソフトが発売された。
- アメディアからヨメール、
- アイフレンズからよみとも
- 1997年には高知システムからマイリード
当時はソフトだけで15万円位した。スキャナーとPC入れると50万円位になった。
実際に使ってみたい人に
二通りの方法がある。
1.専用の音声読書機を使う。
PCはいらない。
- アメディアから「よむべえ」
- アイフレンズから「よみともライト」
これらは画面拡大機能もあり、弱視者にも使える。また「よみとも」は点字ディスプレイが接続できるので点字での確認も出来る。おおよそ20万円位。
2.PCを使った方法。
一つはイメージスキャナーが必要で、PCにUSB接続する。約1万円位で買える。
もう一つ OCRソフトがあれば、これでOCRが出来る。
OCRソフトにも二種類ある。
1.視覚障害者向けソフト
すべての操作が音声でできる。しかし値段が高い。7〜10万円。
操作に自信のない人には安心である。また拡大機能や点字ディスプレイへの操作機能も付いているものもある。
ヨメール、よみとも、マイリード。
2.一般向けソフト
音声読み上げソフト(例えばPCトーカーなど)が別に必要だが、値段が安い。
メディアドライブから イータイピスト。1.5〜2万円位。
読みの操作に苦労するかも知れないが工夫すれば、PCに慣れた人にはそんなに問題はないと思う。
最後にOCRの限界について
便利なものではあるが、機械が読む事なので、間違って認識し、どうしても限界がある。
文庫本などはよいが、雑誌、広告、絵の入ったものは間違いやすい、手書きの文字などは無理である。また表、複雑なものなども読めない。
だから 何でも読めると思って買うとガッカリすることもあるかなと思います。
しかし今まで自力で文字を読めなかった事を考えると多少不完全でも、手ごろな値段で買えるようになったということは我々にとっては大きな事だと思われます。